
まず、この無声映画を見て欲しい。
これはバスター・キートンの映画1924年公開の『Sherlock Jr.(邦題:キートンの探偵学入門)』に登場する有名な「人が人をすり抜ける」トリックシーンです。
101年前ですよ?
昭和どころか、大正時代ですよ? 炭治郎もビックリですw
まだテレビもない時代にこんな超絶トリック映像をやってたんです。
何がすごいのか?
▼この動画でやっているのは
・前に立っている男性の胴体がパカッと開く
・キートンがその体をすり抜ける
・壁がくるっと回ってキートンが悠々逃げおおせる
つまり「生身の人間を通り抜ける」という現象をリアルで実現しています。
どうやってるの!?
このスタントのトリックはこちら。
確かにちょっと不自然な動きだったけど、この発想、凄すぎるw
現代の映画みたいにCGや編集ソフトは一切なしの一発取り。
「人間の力」と「アイデア」だけでこれをやってる。
これ、完全に天才の仕事ですよね…。
バスター・キートン、気になっていろいろ調べてみました
①「肉体パフォーマンス」としての天才
バスター・キートンはサイレント映画時代のコメディ俳優ですが、ただの役者ではなく「超人的な身体能力」を持っていたことが最大の強みです。
- アクロバット
- 危険なスタント(自分でやる)
- 何があっても無表情(”Great Stone Face”)
つまり、アクションとギャグをリアルな身体で成立させる能力が圧倒的。
② 映像的アイデアの発明家
彼は撮影技術・演出でも革新的でした。
- トリック撮影(今で言うVFX的なことを実写で実現)
- 動く背景や仕掛けを利用したドタバタ演出
- 映像の中で現実と非現実をシームレスに行き来
映像でしか成立しない”動きの笑い”を作り出したパイオニアです。
③ 「リアルとフィクションの境界線」への挑戦
キートンの作品は観客が「本当にやってるの?」「どうやって撮ったの?」と驚く構造になっています。
- トリックは使うが、最後は肉体で突破
- スタントは本物だからこそリアリティがある
- 映像の仕掛けと人間の技のギリギリ勝負
だから現代のマジックや映画技術、パルクール、スタントマン文化にまで影響を与えている存在です。
そんなとんでもない才能をもったキートンの伝説のスタントがあります。
『キートンの大災難』(Steamboat Bill, Jr./1928)
伝説の「家が倒れてくるシーン」
驚きポイント
・2階建ての壁(重さ2トン)がキートンの真横に倒れる
・彼は小さな窓の位置にピタリと立つ
・失敗したら即死のノーCG撮影
※このシーンは映画史上最も危険なスタントの1つとして語り継がれています。
今の目で見ると、「まあ、そこまででもないかな?」と思うかもしれません。
でも当時は、柔らかい素材で安全に作るとか、特殊効果でごまかすといった発想すらなかった時代。
すべて本物の、ガチのセットで命がけの演出をやっていたという事実がとんでもないんです。
ある意味、「世界最古のガチ勢YouTuber」と呼ぶにふさわしい存在かもしれません。
映画好き、映像好き、マジック好きなら絶対見てほしい
今のVFX全盛時代に見ると、逆に新鮮で面白い。ぜひ一度チェックしてみてください。
著作権も切れているのでほとんどの作品がYoutubeで見ることができます。
また、無声映画なので、言葉が分からなくたって全然平気!!
100年前の映像に、現代人が「えぇぇ!!」ってなる瞬間を体験できますよ!
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